金融商品取引法とは?投資家の保護と公正な市場づくりを目指した共通のルール
金融商品取引法とは、投資性のある金融商品を取引する際の利用者保護と、透明で公正な市場づくりを目指して、証券取引法を改正し、2007年9月に施行された法律です。金融商品取引法の規制内容には、株式・公社債・信託受益権などの有価証券の発行や売買、デリバティブ取引に関して、開示規制、業者規制、不公正取引規制、取引所規制などが定められています。
「証券取引法」から「金融商品取引法」へ
1996年から2001年にかけて行われた大規模な金融制度改革(金融ビッグバン)によって、市場を取り巻く金融の環境は大きく変わり、新たな金融商品やその取引ルートの選択肢も大きく広がりを見せました。今でこそ一般的ですが、外国為替取引(FX)の自由化や銀行窓口での投資信託の販売、一般事業会社による銀行業へ異業種参入などです。
金融ビッグバンによる規制緩和や市場の自由な競争が進む一方で、ライブドアの時間外取引をつかった手法や、村上ファンドの5%ルールを悪用した仕手筋的な手法など、旧証券取引法のすき間を突いた不正取引や新たな金融商品により、投資家が被害を被るトラブルも増加したのです。
粉飾決算やインサイダー取引、見せ玉や仕手筋的手法など、市場の公正性を揺るがす不祥事を問題視した金融庁は、旧証券取引法の抜け穴を封じる規制や罰則の強化を新たに盛込んだ法律の改正を進めます。こうした背景を経て、投資家の保護と公正な市場づくりをめざし、2007年に新たに施行された法律が「金融商品取引法」です。
改正された金融商品取引法では、「投資サービスの規制」「開示制度」「取引所制度」「罰則・課徴金」と、大きく4つの内容が改変・追加されています。その中でも、投資顧問の利用と一般投資家の安全性にかかわる「投資サービスの規制」に要点を絞ってご紹介します。
金融商品取引法の一元化と金融商品取引業者の登録制
これまでの証券取引法では、先物取引法や銀行法、投資顧問業の規制等に関する法律など、金融商品や業者によってバラバラの法体系で規制がされていました。そのため、新しい金融商品の増加に対応しきれず、規制対象にならないすき間が生まれていました。
改正された金融商品取引法では、個別法を「金融商品取引法」と一元化し、規制対象となる業者の法律上の名称を「金融商品取引業者」と変更することで、法律の「すき間」を埋め、投資性のある金融商品をできるだけ幅広く横断的に規制対象としました。また、証券会社や金融先物取引業者、投資顧問業者などバラバラだった法律上の名称も「金融商品取引業者」とまとめ、すべての金融商品取引業者を登録制としました。
金融商品取引業者の種類と業務内容
第一種金融商品 |
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第二種金融商品取引業 |
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投資運用業 |
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投資助言・代理業 |
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金融商品取引業者の登録制
「投資顧問助言代理業とは」でご紹介していますが、改正された金融商品取引法の規定によって、金融商品取引業を行う業者は、すべて内閣総理大臣に申請、登録が必要となりました。また、業務の種別として「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」「投資運用業」「投資助言・代理業」と4業種に定義し、いずれの業務を行う場合でも、登録を受ける必要があります。(複数の種類の業務を兼営することも可能です。)
この金融商品取引業の登録は、2種類の方法で確認することができます。ひとつが「金融庁のホームページから確認する方法」、もう一つが「契約締結前交付書面から確認する方法」です。金融庁のホームページには、免許・認可・登録等を受けている業者一覧として「金融商品取引業者登録一覧」を発表しています。そのうち「●●財務局長(金商)第●●●号」という番号が金融商品取引業者ごとに割り振られています。これが金融商品取引業者を表す登録番号です。
また、金融商品取引業者には、契約前に契約の内容を説明する書面(目論見書や契約締結前交付書面)を顧客に渡すことが義務付けられています。この書面には、登録業者かどうかを確認できる「登録業の種類と登録番号」が記載されています。投資信託やファンド、投資顧問会社のサービスを利用する際は、この登録番号を必ず確認するようにしましょう。
金融商品取引業者の販売・勧誘・契約を中心とした行為ルールが強化
改正された金融商品取引法では、投資顧問会社や投資信託会社、証券会社といった金融商品取引業者が行う、さまざまな行為ルールが強化されています。金融商品取引業者の行為ルールを大きく分けると「広告や勧誘時の規制ルール」と「金融商品の取引時の規制ルール」の二つです。
インターネット広告やリーフレットなど、日常には数多くの魅力的な投資情報が溢れている一方で、一般投資家の方々が金融トラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。こうしたトラブルを回避する一番の予防策は、利用者自身が規制ルールに詳しくなり、安全性と信頼性の高い金融商品取引業者を利用することです。金融商品取引業者を選ぶ際、または取引時の注意点として以下の内容を是非チェックしてみてください。
広告や勧誘時の規制ルール
標識の掲示義務 | 営業所・事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲示しなければならない。 |
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広告の規制 | ・金融商品取引業者である旨および登録番号などを表示しなければならない。 ・利益の見込みについて、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。 |
契約締結前(契約締結時) の交付義務 |
・金融商品取引業者である旨および登録番号などを記載しなければならない。 ・契約の概要や手数料の概要について記載しなければならない。 ・「損失が生ずることとなるおそれ」や「損失の額が、顧客の預託すべき保証金などの額を上回ることとなるおそれ」があるときは、その旨を記載しなければならない。 |
金融商品の取引時の規制ルール
各種禁止行為 | ・「虚偽のことを告げる行為」や「不確実な事項について断定的判断を提供して勘ゆする行為」をしてはならない。 ・勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問・電話による勧誘をしてはならない(いわゆる不招請の禁止)。 ※当面は、店頭の金融先物取引(外国為替証拠金取引など)を対象。 ・顧客が契約を締結しない旨の意思を表示したにも関わらず、勧誘を継続してはならない(いわゆる再勧誘の禁止) ※当面は、金融先物取引(外国為替証拠金取引など)の先般を対象。 |
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損失補てんの禁止 | 取引によって生じた損失の補填を禁止 |
適合性の原則 | 顧客の知識・経験・財産の状況および契約締結の目的に照らして不適当な勧誘を行い、投資者保護に欠けることのないようにしなければならない。 |
ディスクロージャー違反や不公正な取引違反などの罰則を強化
これまで、金融商品取引法という金融業界のルールを「投資サービスの規制」に絞ってご紹介しましたが、これらの規制ルールは取引業者だけでなく、個人にも刑罰(刑事罰・罰則)、課徴金が課せられるように強化されました。知らず知らずのうちにルール違反をしてしまうことが無いよう、投資家自身も気をつけて市場に参加する必要があります。
不公正取引の禁止
不公正取引行為とは、金融商品取引市場等における有価証券の公正な価格形成等が損なわれ、一般投資家に不利益をもたらす行為や取引のことです。主に下記を不公正取引行為として金融商品取引法で禁止しています。
- 有価証券の売買で、不正な手段、計画または技巧をすること
- 虚偽または不実表示等により金銭その他の財産を取得すること
- 有価証券の売買取引等を誘引する目的をもって、虚偽の相場を利用すること
風説の流布・偽計取引等の禁止
有価証券の募集や売出し、売買その他の取引等のために、あるいは有価証券の相場の変動を図る目的で、風説を流布すること、偽計を用いること。(風説を流布する手段は口頭だけでなく、インターネット等の利用も該当します。)兜町の風雲児と呼ばれ、バブル期には仕手集団「整備グループ」を率いた加藤あきら氏が、証券取引法違反(風説の流布・相場操縦)として逮捕されたことは業界でも大きな話題となりました。
【風説の流布】利益60億円、株価操作で般若の会元代表、大物仕手筋K氏こと加藤あきらを告発へ
バブル期に巨額の資金を使って株価操作を繰り返した大手仕手グループ元代表の70代男性が、インターネットのサイトに根拠のない情報を書き込んで保有株の価格を不正につり上げ、約60億円の売却益を得ていたことが29日、関係者への取材で分かった。証券取引等監視委員会は元代表について、金融商品取引法違反(風説の流布)の疑いで、東京地検特捜部に告発する方針を固めたもようだ。
相場操縦行為等の禁止
相場操縦行為とは、取引が頻繁に行われていると他人に誤解を生じさせる目的を持って行われる売買のことです。相場を意図的に変動させ、その相場があたかも自然に形成されたように取り繕い、その変動で利益を得ようとする行為です。
空売りの規制
これまで「金融商品取引法施行令」「有価証券の「取引等の規制に関する内閣府例」などによって、「空売り価格規制」が設けられていましたが、2013年11月から、この信用取引の空売り規制が見直し・緩和されました。従来は、すべての銘柄に対し価格規定が適用されていましたが、一定の条件を満たした銘柄のみ規制が適用されるトリガー型の価格規定体系に見直されました。
インサイダー取引(内部者取引)の規制
インサイダー取引(内部者取引)とは、会社の重要な情報を知りえる者が、そのような情報を知って、それが公表される前にその会社の株式等の売買を行うことです。改正された金融商品取引法では、投資法人の発行する投資証券等の取引がインサイダー取引規制の対象となりました。
STEP 1
投資顧問を知る- 投資顧問とは
- 投資助言代理業とは
- 金融商品取引法とは
- 日本投資顧問業協会とは
- 証券取引等監視委員会(証券監視委)とは
- 投資運用業とは
投資家のタイプ・評価別 投資顧問の口コミ評判
- 評価別
- 投資家のタイプ別
- 投資家の年齢別
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